論理的なコミュニケーションはヨーロッパでは中等教育で習うようです。
息子は1年次の前期に、「議論とクリティカル・シンキング」の授業を取っていますが、その授業の初日に先生から「中等教育の目的は論理的に思考し、話すことができること。みんなは中等教育を卒業してきているのだから、それができる前提で授業を進める」と話があったそうです。
先生のおっしゃることを文字通り受け取ると、ヨーロッパで中等教育を受けたクラスメイトは、ある程度は論理的に考えて話したり書いたりするトレーニングを受けてきたことになります。
日本の教育では論理的に考えたり話したりすることを体系だって教えてくれる科目はありません。中学や高校の授業に論理を中心に扱う科目は数学ぐらいではないかと思いますが、数学では論理的に思考するまではできても、論理的に話したり、書いたりする力を養うには不十分だと思われます。
日常会話であれば論理的に話すことは求められませんが、授業でのディスカッションやレポートを書く際には論理的に話したり、論理的に文章を書いたりする力が求められます。
学校で習わなくても論理的に考える力を持っている方がいるのも事実です。しかし、論理的に考える体系的な教育を受けてきたクラスメイトと その教育を受けてきていないで互角に張り合うのは、分が悪いことには間違いありません。論理的に伝える技術を身につけなければ、割り引いて評価されることになってしまいます。
英語で文章を書くと論理的に記述せざるを得なくなるので、英作文を練習すれば、自然と論理的に考えて話したり書いたりする力は養われるかもしれません。私の同僚で、論理的に文書を書きたい時には、英語でまず書いて、その文章を和訳する、という人もいます。
もし余力があれば、留学前に少し論理的に考える基礎の勉強をしてみるのも良いのかもしれません。