法学関連の授業はラテン語が頻発するそうです。
日本からイタリアに短期留学している友人とやり取りしている中で、息子はヨーロッパの大学で教わっている内容と日本の大学で教わる大学と違うことに幾つか気づいたようなので、今回は息子が気づいたヨーロッパの大学と日本の大学の授業内容の差について 書かせて頂きます。
息子は経営学部なので、経営学部関連の話に限られますが、日本では教わらないことが海外の大学では当たり前として教わることもあるようです。
例えば、マクロ経済学では、ヨーロッパでは「デフレは失業率が上がるのでダメ」と教わるそうです。一方、日本の大学では、デフレは単なる「状態」だと教わるそうで、ヨーロッパの大学で教えている「デフレ下では新しい企業が生まれにくい」ということも日本の大学では教えていないそうです。
経済学だけでなく、法学関連も異なります。日本の法学部でラテン語を習うとは聞いたことがありませんが、ヨーロッパで法律を学ぶと法律用語がラテン語なので、ラテン語も覚えなければなりません。有名な「疑わしきは罰せず」も元はラテン語の「in dubio pro reo」ですが、これに限らず法学関連の授業ではラテン語が大量に出てくるそうです。法の民・ローマ人が話していた言葉がラテン語なだけはあります。
「ヴロツワフ大学の学部」でも触れさせていただきましたが、ヴロツワフ大学の経営学部は元々法学部の一部としてスタートしていますので、古典的な法律関連の授業はしっかりカリキュラムに組み込まれています。息子は この伝統をかなり嫌がっていますが、法体系の本質を理解する上では重要なのかもしれません。
イタリアに交換留学した息子の友人はラテン語の勉強もしていたので、試験期間中に、友人に試験勉強に付き合ってもらうと、「ポーランドの大学って、そこまで勉強しないとダメなの?」って驚かれるぐらい、深く勉強しないと試験にパスできません。
ローマ法の伝統を受け継いでいるヨーロッパだからこそ、このようなことまで勉強するのでしょうが、きっと法律の考え方の根幹にあるものがラテン語に残っているからなのでしょうね。
この手の知識が直ぐに役に立つことはないと思いますが、価値ある知識だからこそ、ローマ帝国がほろんだ後も何百年も生き延びてきたのでしょう。この手の知識は、いつか、どこかで役に立つのだと思います。