ショパン音楽大学で学ぶ日本人の数は比較的多いようです。
ショパン音楽大学(The Fryderyk Chopin University of Music)はポーランドで最も有名で一番歴史が古く、ヨーロッパで最大の音楽大学の1つです。ワルシャワ音楽院ともショパン音楽院とも呼ばれています。1810年に国立演劇学校として設立されましたが、暫くしてワルシャワ大学の音楽学部に組み込まれたました。フレデリック・ショパンはこの頃、同大学で学んでいます。
歴史に翻弄され学校が閉鎖されるなどの時期もあり、ポーランドが国を失った際には独立した音楽学校に戻りましたが、第二次世界大戦直後から授業が再開され、1979年にはショパンの名前を冠した「Fryderyk Chopin Music Academy」に、そして2008年には現在の名称となりました。
ショパン音楽大学は、ショパン以外にも数多くの著名な音楽家を輩出している大学です。ピアニストでで首相も務めたイグナツィ・パデレフスキ、「管弦楽のための協奏曲」で知られるヴィトルト・ルトスワフスキ、ポーランド初の女性作曲家のグラジナ・バツェヴィチはそのごく一部の方々です。
日本人でも末次弘季さん、平澤真希さん、高橋多佳子さん、山本貴志さん、 反田恭平さんといったピアニストがショパン音楽大学の出身です。ポーランド情報局によると、毎年10人程度の日本人がショパン音楽大学で学んでいるそうです。
ショパン音楽大学出身の著名な日本人がピアニストばかりなので、ピアノが中心の大学だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ショパン音楽大学は幅広い音楽教育を提供しています。ショパン音楽大学は以下の9つの学科があります。(Bialystokの分校を除きます。カッコ内の和名は参考訳です。)
・Department of Composition And Theory of Music(作曲・音楽理論学科)
・Department of Symphony and Opera Comducting(交響曲・オペラ指揮学科)
・Department of Instrumental Studies(楽器学科)
・Department of Vocal and Acting Studies(声楽・演劇学科)
・Department of Music Education, Choral Studies and Eurhythmics(音楽教育、合唱、リトミック学科)
・Department of Sound Engineering(音響工学学科)
・Department of Dance(ダンス学科)
・Department of Church Music(教会音楽学科)
・Department of Jazz and Stage Music(ジャズ 及び舞台音楽学科)
英語で授業が受けられるコースはエラスムス向けには用意されているようです。エラスムスは他の大学に籍を置いて他の大学で交換留学生として学ぶためのヨーロッパ横断の制度ですので、エラスムス用のコースはショパン音楽大学に籍を置いて学ぶためのコースではありません。(エラスムスについては「留学先の大学から他国の大学への留学(2)」をご参照下さい。)英語で指導してくれる先生もいるかもしれませんが、少なくとも英語で楽器演奏を指導してくれる先生を揃えたコースは見当たりません。
音楽の世界では、どの先生につくかが重要なようですので、ショパン音楽大学を目指すのであれば、やはりポーランド語は必須と考えた方が良さそうです。
情報ソースのリンク先 一覧
・ショパン音楽大学の歴史: ショパン音楽大学大学公式サイト、Wikipedia
・末次弘季さん: 末次弘季さんのオフィシャル サイト
・平澤真希さん: 平澤真希さんのオフィシャル サイト
・高橋多佳子さん: ミリオン コンサート協会
・山本貴志さん: 山本貴志さんのオフィシャルサイト
・反田恭平さん: Wikipedia
・ショパン音楽大学で学ぶ日本人の数: ポーランド情報局