ポーランドに行かれる方には必読の書です。
川添恵子(かわそえ けいこ)先生の著書『世界はこれほど日本が好き ー No.1親日国・ポーランドが教えてくれた「美しい日本人」』は、ポーランド留学や旅行を検討している方に ぜひ読んでいただきたい一冊です。
本書では、以前のブログでも触れたポーランド孤児救出、杉原千畝の「命のビザ」から東日本大震災時のポーランドの支援といった交流の歴史のほか、ポーランドにおける能や狂言、茶道といった日本の伝統文化の研究や、日本語学習の盛んな状況、小学校でのアンケートで7割以上の児童が日本に興味を持ってことなど、日本への関心の高さを物語る内容も豊富に紹介されています。
川添先生は著書の中でポーランドについて「私自身が世界 40 カ国以上を取材した中で(戦前の 50 年間、日本が統治していた台湾は除くとして)〝親日国〟〝知日国〟の隠れ世界No1との結論に達しています。」と述べています。私も外資系企業や国内企業の海外部門での経験、またポーランド留学中の息子からの話を通じて、台湾を除けばポーランドほど親日的な国はないと実感しています。
また、「学び合える、共感できる、思いやる、感謝する、恩返し(したい)、史実を丁寧に記録し記憶していく、そして 一期一会 の関係を大切に未来へ繫いでいこうとする価値観などにおいて、双方は相性抜群だと確信しています。少しシャイでアピール下手なところも日本人と似ています 」とも書かれていますが、私の体験とも少し重なります。
私はポーランドの方たちと接する中で多くのことを学びました。ヨーロッパの文化だけでなくビジネス上の知識や考え方を学びましたし、英語が堪能なので英語も学びました。しかし、それら以上に彼らから学んだ大きなものは、日本の素晴らしさでした。彼らが日本の文化や習慣に敬意を払い、興味を示してくれたことで、私も自然と日本の文化や習慣に誇りを持てるようになりましたし、彼らの質問に答えるために日本のことを調べるうちに、日本のことが より好きになりました。
ポーランド人の性格面でも川添先生が仰ることは私の体験と重なります。クラクフに住むポーランド人の友人とは仕事上で多くの意見を交わす間柄でしたが、仕事を離れるとシャイな一面も見られました。一緒に仕事をしている時は、彼にはアメリカ人的なコミュニケーションスタイルで接していましたが、彼も同様に僕には言いたいことを言う間柄でした。彼ほど僕とケンカをした友人は他になく、彼と仕事をする日は殆ど毎日、ケンカしていたと思います。しかし、いくら言い合っても 夕方には「飲みに行こう」と誘ってくるのが彼でした。
仕事上の縁が無くなってから暫くして、息子が留学する直前に彼がたまたま来日してた時に会ったのですが、昔とは違ってシャイな感じでした。「ポーランドの人たちって凄いよね。」とか、「昔、言っていた事って、やっぱり正しかったね。」といった話をすると、謙遜するばかりです。この時の彼の控えめなコミュニケーションはポーランド人の多くに共通する特徴のように思います。
その日、僕は留学する息子の事を頼みましたが、彼は快く引き受けてくれました。今となってはポーランドは安全な国で、隣の国で戦争をしていても大した影響はないことは分かっていますが、当時は大きな心配ごとでした。友人がいなければ息子をポーランドに送り出すことはできなかったかもしれません。
以前のブログでも触れましたが、昨年のクリスマスに友人は息子を招待してくれました。最後に会った時のことを覚えてくれていて招待してくれたのだと思いますが、感謝の念が尽きません。感謝を伝えに行くためにも、今年はポーランドに行けたらいいなぁ、と思っています。