「ヴロツワフ大学の学生寮（２）」でも ご紹介しましたが、息子は大学１年生の時にはヴロツワフ大学の学生寮に住んでいました。しかしながら、他の国から留学してきた学生と生活習慣の違いがあまりに大きかったので、日本人に生活習慣が近いポーランド人数名が住んでいるシェアハウスに移りました。シェアハウスは相当に居心地が良かったようで、息子は その後は卒業まで同じシェアハウスに住みつづけました。
上手く選ぶと、シェアハウスは非常のメリットの大きい選択肢になると思うのですが、今回はポーランドの学生向けシェアハウス事情を ご紹介します。
ポーランドの学生寮事情
ポーランドには約120万人の学生がいますが、大学の寮は学生数の9.5％に相当する11.5万人分しかありません。この数字は２人部屋を2人分としてカウントするベッド数ですが、ヴロツワフ大学の寮の例を見ると、2人部屋に1人で住むケースも多々あるので、実際には更に少ない数字になると思います。
ポーランドでは大学の寮には収まりきらないので、ポーランドでは民間の寮（PBSA：Purpose Built Student Accommodation）が盛んで、 数は年々増加する傾向にあります。 しかしながら、PBSAはポーランド全体で14,500人分（ベッド数）しかありません。
ちなみに、単純に学生数が多い町であれば民間の寮も多い、とは限らないようです。学生数はワルシャワが1位（23.6万人）、クラクフが2位（13万人）、ヴロツワフが3位（10.6万人）、ポズナンが4位（10.1万人）ですが、民間の寮のベッド数は1位がクラクフ（3,400床）、2位がヴロツワフ（2,800床）、3位がウッチ（2,500床）、4位がワルシャワ（1,700床）です。
ポーランド学生のシェアハウス事情
前述の大学の寮と民間の寮を合わせても、ポーランドの全学生数の11.5%にしかならないので、残りの約89％は賃貸アパートに住むか実家から通うことになります。息子のポーランド人の友人を見ると、日本人の感覚では通勤可能な電車で1時間ほどのところに実家があっても、ヴロツワフに住むことを選ぶ学生が殆どのようです。
シェアハウスの魅力は「やり方次第では、ある程度は一緒に住む相手も選べる」ことがあると思います。 生活習慣があまりに違いすぎると、水回りの使い方などで不快に感じる場面も増えてきます。日本人と感覚の近いポーランドの方たちと一緒に住めるのであれば、その方がストレスが小さいと思います。
シェアハウスの費用は「Education Poland」によると、1,000 PLN～1,600 PLN（40,000円 ～ 64,000円）とのことですが、息子が払っていたシェアハウスの家賃も大体このレンジに収まっていたようです。 同サイトによると、大学の学生寮の相場がシングルルームで800 PLN～1,200 PLN（32,000円 ～48,000円）なので、価格差は数十％の範囲に収まります。
シェアハウスの探し方
シェアハウスに空室が出たときには、オーナーさんが入居者を探すケースと、シェアハウスに住んでいる入居者が知り合いを探すケースの両方があるようです。息子が大学１年生の時には、複数のポーランド人の知人・友人から同じシェアハウスに住む話を貰ったようですし、住んでいたところも声がかかったところでした。退去する時にはオーナーさんが自力で入居者を探したようです。
広く募集された案件であれば、Facebookなどにも掲載されているかもしれません。しかしながら、そういった案件では「どんな人が同居人になるか」といった情報が公開されることはあまりないと思われます。生活習慣が違い過ぎない生活を望むのであれば、大学の友達にシェアハウスについて相談するのが良いと思います。
複数の人に相談するうちに、誰かがシェアハウスに入居できる人を探していた、という情報を貰えるかもしれませんし、相談した方が偶然一緒にシェアハウスに住む人を探していた、なんてこともあるかもしれません。このようなケースであれば、どんな人と同居するのかの情報も得られる可能性も高くなります。
シェアハウスを含め、快適な留学生活を送るための重要な情報は、現地の学生が握っている場合が少なくありません。より良い学生生活を送るためには、現地の学生たちと早く友達になることが重要だと思います。
情報ソースのリンク先 一覧
・ ポーランドの学生の住まい： Student House in Poland
・ポーランドの学生寮・シェアハウスの費用： Education Poland