欧米留学が衰退する中でポーランドに注目すべき理由

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留学はオワコンか?

 2024年7月に一新された日本銀行券の肖像は、一万円札から渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎ですが、この三人に共通することは、留学経験者であることです。渋沢栄一はフランスへ行き、出発時に着物姿だったのが一年後の帰朝の際には西洋式の格好をしていて、皆を驚かしたという逸話があります。津田梅子は日本で初めて留学した女性の一人で、北里柴三郎はドイツ留学中にコッホの下で細菌の研究に励みました。歴史を紐解けば、こうした海の外に目を向けた人々が活躍したのは事実です。

 しかし、現代においてはそれはもう過去の話だという人々もいます。確かに近年、留学がかつてないほどに一般的なものとなった一方で、その重要性というのは若干減衰していっているようにも思えます。明治の文化開花以降、日本は必死で西洋列強を追いかけてきましたが、今はそうではありません。むしろ日本ならではの伝統や文化だったり、ユニークな価値観を大事にしようという傾向さえあるように思えます。『日本製』が世界的に高品質のブランドとして認められることやアニメなどの普及も考えれば、その文化的価値もまた自信をつけてきたと言っても過言ではないでしょう。そうなれば海外に留学して、その先進性に目から鱗ということも少なくなってきます。

 またオンライン教材などの普及により、物理的な距離を超えて学ぶことができるようになって来ました。現に僕は勉強をする際、大学の図書館へはいかずに家からオンライン資料を閲覧することがほとんどです。そう考えれば、年々物価が上がり続ける欧米にわざわざ赴かずとも、海外の有名大学の教材を使って家で学ぶということも可能です。

事実、高等教育機関への留学数は2004年をピークに減少傾向にあると言えます。

出典:トビタテ留学Japan (文部科学省)

留学の教育的意義とは?

 時より、そういった留学不要論を目にする機会がございます。これは留学中の身からすれば甚だ耳の痛い論説ではありますが、留学の教育的意義を否定するのは間違っていると考えています。

なぜなら学びというのは大学の中、もっと言うとカリキュラムを通して得るものだけではないからです。異なる文化や言語の中で生活することが如何に成長をもたらすかを考えてみてください。

システムも精神性も違う場所で、手探りで生活を成り立たせなければならないのです。洗濯一つを例に取っても、洋服を洗うにもどの洗剤を買えば良いか、洗濯機のモードはどれにすれば良いかなど、今まで当たり前であったことが如何に難しいことだったかに気づくはずです。こういう小さな発見の連続の中で培われる能力は、ある意味では教科書を通じて得る知識以上の価値があると考えます。

もしあなたが、いつか全く新しいことに挑戦する時、そこに教科書はないでしょう。そんな時、手探りをしてきた経験が代わりに足掛かりになるのだと思います。そういう意味で留学はかけがえのない学びを与えてくれると確信しています。

 また海外生活の中で、違いを発見することがあれば、変わらないこともある。

その変わらない事こそが本当に私達が身につけるべき素養ではないでしょうか。例えば、日本人がおよそ昔から大切にしてきたもので、昨今では度々卑下されることもある『礼節』ですが、これは日本の外においても往々にして大切にされる習慣で、それを目の当たりにする度に「我々もこれを失うわけにはいかない」と思うのです。

なぜポーランドなのか?

 留学をするにしても「なぜポーランドへ?」と疑問に思う方も多いはずです。これには多くの理由がございますが、その一つ目の理由はその高いコストパフォーマンスにあります。レベルの高い教育が受けられて、生活費も他のEU諸国に比べて安く、およそ日本と同じくらいです。
二つ目に治安です。ポーランドは全国的に治安が良いことで知られています。ルクセンベルクなどの特殊な国を除けば、恐らくヨーロッパで一番治安が良いといっても過言ではないと思います。三つ目に、ポーランドは親日国です。ヨーロッパで白人中心の社会に行けば、人種差別があるなどの不安や経験はないでしょうか。こういった経験の一つ一つは小さくとも、長く生活してゆく中で、必ず健康な精神を蝕む種となります。しかし、ポーランドではそういったことは起こりません。寧ろ日本人へのリスペクトと親しみに溢れ、きっと日本人として背筋を正したくなるはずです。

 また、ポーランド留学はまだまだ有名でない領域です。どこに行くにしても日本人はそんなに多くありません。これは大きなチャンスです。留学生活、困難が多ければ多いほど人は成長します。ポーランド人は大変親切な人が多く、助けを求めれば必ず助けてもらえますが、日本人がいないことで、せっかく留学したのに気づけば日本人とばかり一緒にいるということにも陥りにくいと思います。

 最後にポーランドは未来のある国です。ロシアによるウクライナ侵攻以降、存在感を高めたのではないでしょうか。民主化からまだ40年も経っていない新興国ですが、他のEUの中核国と比べて豊かではないながらも隣国の危機には支援のためにイニシアチブを取れる国です。これから先行きが不安だと言われる日本を含めた多くの成熟した先進国と違ってポーランドはまだまだ成長していく。そういうある種の明るさと気概がこの国には漂っていると日々感じています。

ポーランドの魅力をまとめると

  • 高いコストパフォーマンス
  • 治安の良さ
  • 親日的
  • 未知なことが多い
  • 未来が明るい

となります。

今だからこそポーランドへ

 近年、世界では二つの戦争が起こりました。一つはウクライナ戦争、もう一つがイスラエル・ガザ紛争です。どちらも解決に混迷を極めた難題ですが、実はポーランドはこの二つの問題に大きく関わっています。

ウクライナ戦争に関しては、単なる隣国というだけでなく、ウクライナ側におけるNATOの最前線、最大の支援者の一人という側面を持っています。戦争から避難してきたウクライナ人の受け入れ先であり、事実、僕の通う大学にも多くのウクライナ人学生が通っています。現実を一番知っている彼らとの対話は暫し目を背けたくなることもありますが、学びあることも多いです。

またユダヤ人問題に関しても、歴史的な兼ね合いでポーランドは先駆けで中心的であり、僕の学部の近くにもユダヤ人研究棟があるほどです。

未だ出口の見えない二つの大きな問題、それが交差するのがポーランドという国だと思います。

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