ポーランド語を学ぶにしても英語は必要だと思われます。
以前「ポーランド語について」の記事で、ポーランド人の知人が「Polish and Japanese are one of the top 3 difficult language on the earth.」(ポーランド語と日本語は最も難しい言葉のトップ3に入るよ。」と言っていたことを ご紹介しました。
特殊な領域での留学を目指さないのであれば、ポーランド語を学ばなくてもポーランドの大学で英語で学べる可能性が高いことは これまでも ご紹介してきました。しかしながら、ポーランド語でないと留学できない有名大学もポーランドにはあります。典型例はウッチ映画大学(Łódź Film School)です。
このような大学を目指したい方にとって、ポーランド語の習得は必須なのですが、ポーランド語と日本語をある程度のレベルまで話せる方は非常に少なく、教えられる方がそれほどいらっしゃいません。この2つの言語をある程度のレベル以上で操れる人を列挙してもA4 1枚に収まる、とまで言われているそうです。
せっかくポーランド語を習得しても、ポーランドのビジネスパーソン(というよりは、ヨーロッパのビジネスパーソン)は英語に堪能です。ポーランド人にポーランド語で話をすると珍しがって初めのうちはチヤホヤしてくれるようなのですが、込み入った話になると、ポーランド語に堪能な方でも、何故か自然と英語での会話になるようです。息子も日常で似たような経験をしているようですし、ポーランドで生活していてポーランド語が必要になる場面は殆どない、とも言っています。
ポーランド語をどうしても習得しなければならない理由を持つ日本人が非常に限られるためか、日本語で学ぶポーランド語の教材はあまり充実していないのが実情です。アマゾンで検索しても、日本語で学べるポーランド語のテキストは入門書を除いて殆どありません。ポーランド語を教えてくれる学校は国内にあるようなので、ポーランド語を日本で学習しようと思えば学習はできるようですが、日本人にとってマイナーな言語であるポーランド語は、英語の学習のように日本語で学べるコンテンツが充実しているわけではありません。
ポーランド語のみで提供される大学の学科では、英語で言えば英検準1級レベル以上のポーランド語力が求められます。教育コンテンツが充実していないことや、日本語が話せるポーランド語の話者が圧倒的に少ないことを考えると、入り口は日本語で学ぶのが効率がよくても、ある程度のレベルから先は英語で学んだ方が効率が良いと思われます。
日本でポーランド語を学べる環境は一応はありますので、日本語でポーランド語を学ぶことも選択肢としてあり得るかもしれません。しかしながら、英語は他の留学生と交流するための強力なツールですし、卒業後に英語ができた方が遥かに活躍できる幅が広がります。英語を学んだ後にポーランド語を学ぶのは一見遠回りに見えても、メリットは大きいように思われます。
このようにハードルの高いポーランド語でしか提供されない学部への留学ですが、英語で授業が受けられるプログラムが充実していない分野の代表格である、ポーランドの映画大学や音楽大学などについて 次回以降にご紹介します。